── アキ・
ココロ・
ソウの対話から見えてくる、メンターの導入の本質
ココロ:
ねぇアキさん、「メンター」って言葉、最近いろんなところで聞くけど、
結局のところどういう人のことを言うの?
アキ:
いい質問ね、ココロちゃん。
メンターという言葉の語源は、ギリシャ神話に登場する「メントール」という人物よ。
英雄オデュッセウスが戦争に出かけるとき、自分の息子を信頼して託した知恵深い導き手の名前なの。
ソウ:
つまり、ただの上司とかアドバイザーじゃなくて、「信頼される人生の相談相手」みたいな感じかな?
アキ:
そう、それが一番しっくりくる表現ね。
でもね、世間で使われてる「メンター制度」って、ちょっと誤解されてる部分があるのよ。
🎯メンターは“アドバイザー”じゃない
ココロ:
えっ? でも悩みを聞いて、アドバイスしてくれるんじゃないの?
アキ:
実は違うのよ。
アドバイスってね、多くの場合、**話し手の価値観や経験に基づいた“答え”**なの。
でも相手が本当に欲しいのは、「自分の答え」に気づくきっかけ。
ソウ:
あ〜、たまに上司が「俺の若い頃はな…」って居酒屋で語るけど、
あれってあんまり響かないときあるよね(笑)
アキ:
まさにその通り。メンターはね、相手がどんな風に物事を見て、
どんなふうに感じて、どんな思い込みを持ってるかを丁寧に引き出して、
思考のクセに気づかせて、望ましい方向に“自分で”変えていけるように伴走するの。
🌀メンター制度って、うまくいってるの?
ソウ:
でも会社って、すでに「メンター制度」って導入してるところ多くない?
アキ:
そうね。厚労省も推奨している制度だし、若手社員の離職防止のために導入してる会社も多いわ。
でも実際には…
- メンター役の社員の負担が大きい
- 相性が悪いと逆にストレスになる
- メンターの関わり方にバラつきがある
などなど、制度だけが形だけ残っていて、本来の効果が出ていないケースも多いの。
ココロ:
うわぁ、それはもったいないね…
🌱“本物のメンター制度”とは?
ソウ:
じゃあアキさん、どうすれば機能するメンター制度になるの?
アキ:
それはね、**「誰のため」「何のため」**の制度なのかを明確にすること。
私たちが提案しているのは、こんな制度よ:
-
- 若手社員だけが対象じゃない
- 女性活躍推進だけでもない
- 全社員の“思考特性”を育てるための仕組み
さらに、メンター役は「年齢の近い先輩社員」ではなく、
まずは社長自身、次にマネージャー、そして組織全体へと広げていくの。
ココロ:
つまり、上司自身が“育てるスキル”を身につけていくってこと?
アキ:
そう。部下を理解し、信頼関係を築きながら、
自ら考え、行動を変えていけるように支援する力。
これが、本物のメンターリングの力よ。
🔍成果を生むカギは「思考特性」
ソウ:
でも、結局何が一番大事なの? スキル? 行動?
アキ:
いい質問ね、ソウくん。
国際労働機関(ILO)はこう言ってるの:
スキル < 行動特性 < 思考特性
つまり、何ができるかよりも、「どう考えるか」が最も重要だということ。
どれだけスキルやノウハウを教えても、思考のクセが変わらなければ、行動も結果も変わらない。
ココロ:
じゃあ、まず“人の中身”と向き合うことが必要なんだね…。
アキ:
そう、人間の理解なしに人を育てようとするのは、
“勘と経験だけで人を導こうとする”ようなもの。
私たちは、理論・実践・哲学を通して、
社員の成長と業績アップを同時に実現するメンターリングを提案しているの。
💡まとめ:人が変われば、組織が変わる
ソウ:
なんだか…会社に必要なのって、制度より“本気の対話”なんだね。
ココロ:
うん。私もこんなメンターがいたら、働くことがもっと楽しくなりそう!
アキ:
まさにそれが目的よ。
人と人との信頼関係のなかで、「気づき」「成長」「喜び」を共有すること。
それが、これからの企業が本当に必要とするメンターの導入なんじゃないかしら。
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