競合他社が進出してきた――そのとき、どう生き残るのか?
ココロ:
「最近、近所に大手チェーン店ができて、うちのお客さんが減ってきた気がするの…。なんだか焦っちゃって…」
アキ:
「そう感じるのも無理ないよね。でも、競合が出てきたってことは、その地域が魅力的ってことでもあるのよ。」
ソウ:
「実は“ピンチ”って、自社の価値を見直すチャンスでもあるんだ。今日はその視点を深掘りしていこうか。」
「うちの近くに大手チェーンが出店した」
「ネット販売の影響で、お客様の流れが変わってしまった」
こうした競合の進出による競争の激化に、
危機感を覚える経営者も多いでしょう。
しかし、
まず理解しておくべきことは、
競合の進出を止めることはできない
という現実です。
言い換えれば、
それだけその商圏には魅力がある
ということでもあります。
とはいえ、
当事者にとっては
「のんきなことは言っていられない!」
というのが本音でしょう。
では、
この状況をどう乗り越え、
生き残る戦略とは何でしょうか?
■ 差異化の鍵は「人」にある
競合が来ることで
自然とお客様の中に
“比較対象”が生まれます。
価格、商品、立地、サービスの質
――あらゆる要素が比較されるなかで、
最終的に選ばれるのは、
「もっとも喜ばれる存在」
です。
多くの企業は
ここで
“価格勝負”や“外装・設備の充実”
といった、
見える部分の差別化に走りがちです。
しかし、
それでは利益をすり減らす
消耗戦になってしまいます。
本当に大切なのは、
一見目に見えにくい
「人の魅力」で差をつけること
です。
つまり、
問われるのは、
- 社員がいきいきと働いているか?
- お客様が「この会社は感じがいい」と言ってくれるか?
ここに尽きるのです。
■ 社員が喜んで働いている会社は強い
「感じがいい会社」とは、
単に接客が丁寧というだけ
ではありません。
社員一人ひとりが
会社のビジョンに共鳴し、
目的に向かって協力し合い、や
りがいと誇りを持って働いている
状態です。
そのために必要なのは、
社長やリーダーが
「この仕事は何のためにあるのか」
「誰に、どんな貢献をするのか」
を明確に語り、ぶれない姿勢を示すこと。
そして
社員を人として尊重し、
その可能性を引き出す教育と実践、
フィードバックを積み重ねていくことです。
「この会社で働くと、自分が成長できる」
と社員が感じているなら、
それは
自然とお客様への態度にも
にじみ出ていきます。
経営者自身が、
その生き様で社員のロールモデルに
なれているかどうかが、
問われる時代です。
■ AI時代に残るのは「人間力」
AIの進化により、
単なる作業は
どんどん自動化されていきます。
しかし、
AIには苦手な領域があります。
- 柔軟な思考と判断
- 感情に寄り添う力(共感)
- 予測不能な状況への対応力
- 創造性とユーモア
つまり、
「人間にしかできない仕事」とは、
目の前の人を“人として”尊重し、
感情に寄り添い、創意工夫をもって
対応する力
なのです。
お客様を
「一人の人間」として理解し、
「どうしたらこの人が喜ぶか?」
「どうすれば、また来たいと思ってもらえるか?」
を真剣に考える。
そんな“心のこもった対応”が、
競合には真似できない価値となります。
■ 「感じがいいね」と言われる会社・お店へ
最終的に選ばれるのは、
「この会社、なんか感じがいいよね」
と思ってもらえる存在です。
それを実現するためには、
- 社内に一貫した目的とビジョンがあり、社員が共鳴している
- 社員が喜びを感じながら仕事をしている
- お客様一人ひとりに“人間らしい関心”を向けている
という状態が必要です。
効率化や価格競争だけでは
到達できない、
“人間同士の信頼関係”を築く力こそが、
競合との差別化になります。
ココロ:
「“感じのいい会社”を目指すって、シンプルだけど深い言葉だね。」
アキ:
「うん、人の心は“論理”より“感情”に動かされるから。社員もお客様も、人と人とのつながりを求めているの。」
ソウ:
「競合に勝つってことは、スペックじゃなく“人間力”で選ばれる会社になること。それが、これからの企業の本質なんだよ。」
競争が激化する中で生き残るには、
「人間にしかできない価値」を高めることが
最も確実な戦略です。
価格やスペックではなく、
人と人との関係性に
価値を見いだす会社・お店は、
必ず地域に必要とされ、
応援される存在になります。
競合の登場は、
むしろ
自社の「本当の価値」を見直すチャンス。
そして
“感じのいい会社”という実態が作れたならば
競合先があることで
御社の優位性が際立つため
競合先が出来たことがよかった
といえるようになっていくはずです。