人間を知るとは? ~メンター制度を導入する相談を受けて~

〜メンター教育が企業に与える変革〜

“指導”ではなく、“変化を引き出す存在”としてのメンターとは?


ココロ

「うちの会社で“メンター制度”を導入することになって... 」

「でも任命された私自身が、“どうしていいかわからない”状態なんです。」


アキ

「以前、別の会社でもその話を聞いたよ。」

「メンター制度は、新入社員や若手社員の悩みに対して、先輩社員が相談相手となり、仕事のアドバイスやメンタルサポートをするんだよね。」

「背景には、職場内の人間関係の構築で離職防止やキャリア開発の支援という目的があって、労働省も推奨しているらしいわね。」


ココロ

「正直、余分な仕事が増えちゃったって思っちゃいます。」

「でもそんなこと、言っちゃいけないから頑張ろうと思うけど、私に人を育てる役割が果たせるのか心配です…」


アキ

「ココロさん、それはとても自然な疑問よ。でも“人を育てる”って、まずは《人間を知る》ことから始まると思わない?」


ソウのメンター教育のポイント解説

「メンター制度で効果が生まれるのは、メンターが正しくメンティー[関わる対象の人]の問題解決と目標達成に貢献できる場合に限られるんだ。その際に、自分の経験でアドバイスをしても、それが必ずしも結果につながるとは言えないんだな。」

「だから、正しく導ける『本物のメンターを育てる。』それが本当のメンター導入の目的なんだよ。では、どうすればよいのかというと。」


■ 人は“無意識”で生きている

アキ: 「まず、私たちの意識は全体のわずか3%しか使われていないって知ってる?」

ココロ: 「えっ、そんなに少ないんですか!?」

ソウ: 「人の心は、海に浮かぶ氷山に例えられるけど、表に出ている部分はわずかでも沈んで見えない部分が大きいように、人間の心の大半は見えない無意識に支配されている。 だから、いくらやり方を教えても、その人の無意識では“どう思っているか”が重大な影響を与えるので、“どう無意識を整えるか”が重要になるんだ。」


■ 無意識とはなにか?

ソウ: 「無意識は、育った環境や経験の記憶から『こうすれば安心』という自動反応を作り出す。 その対応や行動が、たとえ合理的でなくても、“慣れている選択”を優先してしまう。」

アキ: 「つまり、人は《正しい》より《慣れてる》を選びがちなんだね。」

ソウ: 「そう。私たちって慣れたことをするとき、あまりエネルギーを使わないけど、慣れないことをするときには、エネルギーを使うよね。それはカロリーを消費することであり、飢餓状態につながるという恐怖が根底にあって、だから変化することを恐れているわけです。」

 


■ だから願いがあっても動けない

ココロ: 「なるほど...だからなかなか行動が変えられないんですね。でもみんな“目標”達成をしたいと思っていますが…」

ソウ: 「目標を掲げるのは“顕在意識”(3%)の仕事。 みんな共通に目標達成はしたいと思っているよ。でも、本音(無意識)で『自分なんかには達成できない』と思いこんでいたら、その“無意識の本音”が願いとズレていれば、不協和が起き、不安や恐怖で行動を止めてしまう。そして、それが無意識だから、本人が自覚できていないことが厄介なんだ。」

アキ: 「目標に近づくことより、“今まで通り”=『達成出来ない自分』を選んでしまう...それが“心のクセ”なんだね。そして、その根拠となるものが幼い時に体験した間違った記憶に起因することがほとんど。だから『気のせい』に囚われているだけの。」

 

無意識を意識する

 


■ ではどうすれば?

ソウ: 「だからこそ、“無意識”に何が刷り込まれているのかを見極める必要がある。 それを気づかせ、整えていくのが「メンター」の役割なんだ。」

ココロ: 「つまり、社員の内側にある無意識の声に寄り添える人、つまりメンターが、組織を変える鍵になるんですね。」

ソウ: 「その理屈を理解して、無意識に任せず、願いに向けて意識して変化する選択をすることが大事なんだよ。無意識をコントロールするその時に、メンターがいてくれることがどれだけ大切なのかということを理解してほしいな。」

 


■ メンター教育を企業に

アキ: 「メンター教育は、ティーチングやコーチングではなく、まずは『本音を整理する』ことから。 無意識に気づき(自己認知)、その思い込みを破壊し、その人の可能性を開くように再プログラムしていくサポートを行うの。」

ソウ: 「社員の“本音”を正しく認知し、“本当の願い”と向き合うことで、行動や成果が自然と変わっていく。 それが『人間を知る』ということなんだ。」


🌱 最後に

人間を知るとは、人間の心を知ること。
人の成長には、“心を扱える存在”が必要です。
そしてその存在こそが、『メンター』

企業へのメンター導入のご相談も承っております。

くわしくはこちらをご覧ください。

 

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